「そだ!せっかくだから、ふたりで連絡先交換しちゃえば?笹本くんもメッセージアプリ入れてるでしょ?」



せっかくって?


その強引な杏ちゃんのふりに。



「そうだね。良かったら交換しない?」



なんのツッコミもなくオッケーする笹本くん。



「えっ……う、うん」



もちろんあたしに断る選択肢なんてなくて。


震える手でポケットから取り出したスマホが、笹本くんのスマホと重なって。



「はい、登録完了!よろしくね、花恋ちゃん」


「……っ、よろしくっ……お、お願いしますっ……」