幼なじみの朋美ちゃんを助けるために、彼氏のフリまでしたんだから。
やっぱり青山くんは優しい人。
今日、あたしに見せてくれた優しさ、これがほんとの青山くんなんだ……。
そう思ったら、すごくうれしくなった。
「アンタとのことも、誤解だってちゃんと話した」
「えっ……」
ズキッ……。
なぜか、心の中で鈍い音がした。
つき合うことになったって話を訂正してくれた。
それを望んでいたはずなのに、あたしとの関わりを断ち切られたような感覚に陥って……。
「今日はサンキュ。明日もまた頼める?」
「うっ、うん」
明日も青山くんと一緒に作業が出来て、そのあとここで勉強も出来るんだ。
……今沈んだ気持ちがすぐに上がって胸がわくわくする。
早く明日が来ないかな。
まだ今日が終わっていないのに、もう明日を楽しみにしているあたしがいた。