「あたし、教えるのはホント苦手で……」
「それは嘘じゃなさそうだな。でも下手とかうまいとか期待してないし。ただ、要点だけを教えてくれればいいんだよ」
あたしに出来るかな……。
自信はないけど、やっぱりノーとはいえず、あたしと青山くんは図書室に残った。
先生のありがたい提案を受けた生徒は、他には誰もおらず。
ここにはふたりだけ。
隣合って、英語の教科書やテキストを広げる。
「この文法の使い方が、時と場合によって違うのはなんでだよ!」
「あ、これはね……」
青山くん、基礎が出来てないみたい。
一から、丁寧に教えていく。
「へー、アンタって教えるの下手とか言っときながらうまいじゃん」