先輩たちはガッカリ。


あたしも。


この勢いで、ここに残って勉強したい人はいないよね。


帰ろう……。
そう思って鞄を手にすると。



「なあ、アンタって英語得意?」



おもむろに、青山くんにそんな言葉を投げられた。



「英語……?……うん、苦手では……ないかな……」


「それ、めちゃくちゃ得意って解釈で間違いないな、アンタの場合」


「……」


確かに、5教科の中では一番得意。


小学校の時から英語教室に通っていたおかげで、既に英検2級を持っている。


あたしの言葉の裏を見抜くなんて、すごいな。



「ここ解放されてるっていうし、英語教えてくんねえ?」


「あ、あたしがっ?」


「俺、英語さっぱりなんだよ」



そういう青山くんは、ほんとにヤバそうな顔をしている。