空をこんな真下から見たことなんて、はじめてかもしれない。


いつも見ているのは、斜めに見上げた空。


目に映るのものが青と白しかない世界なんて、はじめて。


日々のことが全てちっぽけに思えてしまいそうな世界が、そこには広がっていた。


悪くいえば自己中。

良くいえば自由で、気まま。


青山くんがそんな人柄なのも、日ごろから、ゆとりを持っているからなのかな。


羽目を外すこともなく、流されるだけのあたしなんかとは大違いで……。


そよそよと流れる気持ちのいい風を感じながら、目を閉じた。


視覚が遮断された分、感性が研ぎ澄まされる。