中学時代も、いいなあと思う男の子はいた。
だけど自分に自信なんてないし、男の子と話すなんてムリだし、いつも見ているだけだった。
行動を起こす前に諦める、悪いクセが今回も顔を出したあたしに。
「じゃあ手っ取り早く、まずは友達になりに行こう!」
そうさせなかったのは、そんな杏ちゃんのひとこと。
「友達って……誰と……?」
面食らうあたしに。
「やーだー、そんなの笹本くんしかいないじゃん!」
「えっ!?そそそんなの、ムリムリムリムリーーっ!」
「なにがムリなの?告白してきなって言ってるわけじゃないんだから。たかが友達だよ?」