「うん、寝たらだいぶよくなったよ」
「あら、すごい鼻声じゃない。こんな時期に風邪ひくなんて珍しいわねぇ……」
「が、学校で流行ってるのっ……」
原因を詮索されたところで、別にやましいことなんてないけど。
なんとなく、そう言って濁してしまった。
とある男の子に移された、なんて言ったらそのあとが面倒だもん。
「そう、ひどくならないといいけど。食欲ある?おかゆ作ったから食べなさい。今温め直すから、無理してでもたべてね」
食卓に着いたあたしの前に、しばらくして卵がゆが置かれた。
あまり食欲はないけど……。
「その前に、熱も計ってね」
渡された電子体温計。
脇に入れると、10秒ほどで、ピピピと計測終了のアラームが鳴る。
「あ……」