三浦を止めに来たのか、遠峯もやってきた。


腰付近まである、黒くて長い髪の彼女は美人系だ。



「だってぇ~」


「だからって、いきなり押し掛けても戸惑うだけじゃん」



一気に物々しくなったこの場。


……なんだよ。


クラスメイト達の視線も痛いし、用があるなら早く言ってくれ。



「なになに~、翔がなんかまたやらかした?」



侑汰が俺の肩を抱く。



「またってなんだよ」



前科があるみたいじゃねえか。

人聞き悪ぃな。


軽く言った侑汰を睨みつける。



「あのねっ、花恋、具合が悪くて体育の授業中に倒れちゃったの!」


「……は?」



それは大変……かもしれねえけど、俺とどういう関係が?



「青山くんの風邪が移ったみたいなの!昨日、花恋に何したのっ!?」


「えっ……」