「青山くん!ちょっといい!?花恋が大変なの!!」
彼女が用があったのは俺だったらしい。
侑汰を交わして、俺のもとへズカズカとやって来た。
「は?」
いかにも女子ってオーラ全開の彼女は顔に似合わず、かなり怒りモードだが……。
全然迫力はねえ。
……誰だ?コイツ。
花恋……ってことは。
ああ、昨日一緒にカラオケに行こうとしていた藤井の友達か。
三浦杏奈と遠峯友梨って言ったか。
今朝から侑汰がカラオケの感想を騒いで、散々名前を聞かされたから、嫌でも覚えてしまった。
「あ、いたいた!杏奈ってば、ちょっとやめなさいよ!」