「おいっ……!」



ちょ……マジかよ。


さっきまで俺から遠ざかるようにしていた藤井が、いきなりもたれ掛ってきたと思ったら。


まさか、死んでないよな……?



俺の胸元にガクッと頭を垂らした姿に、俺は一気に焦った。


送る、とは言ったけど、まさかここでブッ倒れるとは……。








6時間目が終わったあと、ひとりの女が俺のクラスにやって来た。



「おー!杏奈ちゃん!どうしたの~?」



にへ~っと頬をだらしなく緩めた侑汰とは、中学時代からの付き合い。


また、適当な女と遊んでるのかよ。


見た目チャラい侑汰は、女友達は星の数ほどいる。


でも、特定の彼女は今はいない。