はじめて、だった。

あたしにとっては、初めての、キスだった。


あたしは涙のたまった瞳で、青山くんに視線を注ぐ。



「……ど、どうして……」



そこまでして、朋美ちゃんと別れたいの?

だったら、ふたりで勝手に解決してよ。

巻き込まないでよっ……。



「悪ぃ……つい……」



青山くんは伏し目がちに呟いて謝るけど。



つい……って。


青山くんは、ついで、好きでもない女の子にキスしちゃうような人なの……?


青山くんて人が、わからない……。


…………そうだよね。


買い物行ってお茶までしたけど、会ったのは昨日がはじめてなんだもん。


わかんなくて当然だ。