一緒の所を見られちゃうなんて。
これじゃあ、昨日青山くんが言ったことが、その場しのぎじゃなくなってしまう。
青山くんには好都合でも、あたしには不運すぎる……。
朝と違い、誰もいない昇降口。
朋美ちゃんは、声の音量を落とすこともなく、あたしに向かってきた。
「ねえ、あなたなんなの!?あたし、あなたのこと今日初めて見たし!べつに可愛くて目立ってるわけでもないあなたが翔とつき合うとか言われても意味わかんないんだけど!!」
「うっ」
「あなたから翔に言い寄ったの!?大人しそうな顔して!」
「朋美やめろ」
朋美ちゃんの標的はあたし。
青山くんは朋美ちゃんの腕を掴むけど、全く耳に入れようとしない。
「あたしはまだ別れたつもりはないし、あなた浮気相手になるんだからね!」