「探したんだからー!靴はあるからまだいることが分かってたもん。どこにいたの!?ずっと待ってたのに!」
よく通るその声は、昇降口一帯に響き渡った。
どうやら、朋美ちゃんは昇降口で青山くんを待っていたみたい。
朋美ちゃんは、あたしの存在には気づいてない。
……面倒なことに巻き込まれたくない。
このまま、そのままそーっと靴を履きかえて昇降口を出ちゃおう。
―――と。
「あっ……」
朋美ちゃんが小さく声を漏らすから、あたしはビクッと肩を震わせた。
「あなたはっ……!」
見つかっちゃった……!
うわぁぁぁ……またタイミング悪すぎ……。