送ってく!?
青山くんが!?
「ひとりで返して、アンタが帰りにまたぶっ倒れでもしたら?」
「あああ、あのときは暑くてめまいがしただけなの。もう倒れないからひとりで帰れますっ……!」
そんなのムリムリ。
それに、青山くんはそんなことしたくないでしょ?
あたしを送るなんて。
「分かんねえだろ?また倒れでもして、俺のせいとか言われたくねえし。俺が移した風邪なんだから、責任取らせろ」
「ご、ごめんなさいっ、友達がなんて言ったから知らないけど、ほんとに大丈夫だから……」
責任って……。
杏ちゃんどんな言い方したの!
まさか脅迫……!?
「つべこべ言わずに早く着替えて」
「……」
「3分。3分経ったら開けるよ?それが困るならとっとと着替えて」
制服と鞄をベッドの上に置き、青山くんはカーテンを外れそうな勢いでシャッ……と閉めると、その向こうに消えた。