冷たく放たれた一言に。
かぁぁっと、全身が熱くなるのを感じた。
……関係ないよ。
関係ないけど……
だけど、さ……。
「なにも知りもしないくせに」
「……っ」
膝の上で、スカートをギュッと握りしめる。
やっぱり、青山くんみたいな人、あたしと話が合うわけないんだ。
価値観なんて、絶対にあわない。
あたしの一言で、空気は一変してしまった。
青山くんは、窓の外をじっと見ている。
口は噤んだままで。
「あ、あたし……帰ります……ごちそうさまでしたっ」
お財布から1000円を取り出すと、テーブルの上に置いた。
コーヒーとドーナツ、それから紅茶の分。
チラッと青山くんがこっちに視線を振ったのが視界の端に移ったけど、あたしはそれを見ないようにしてお店を飛び出した。