「ここ入ろうぜ」
そう言って、青山くんが指さすのは、通りに面したお店。
「えっ……!」
そこは、杏ちゃんたちと1回入ったことがある、オシャレで可愛らしくて美味しいドナーツ屋さんのカフェだった。
『彼氏が出来たら絶対デートで来るぅ~』
なんて杏ちゃんが妄想してて、あたしもデートにはピッタリのお店だなあなんて思っていたけど。
そこに、ふたりで入るの!?
「ど、どうして……?」
雑貨屋さんは、妹さんのプレゼント買うっていう目的があったからまだいいとして、あんなところにふたりで入るのなんて意味がわからない……。