部屋にたどり着くと、私はおば様とおじ様の元へ。



「おじ様、おば様…1つお願いがあります。」

私はおじ様達に正座し頭を下げる。

「婚約を破棄してください」


そう言うと、おば様は悲しそうな表情で私を抱き締めた。


「あのバカ息子!」


「アイツから聞いたのかい?」


おじ様達は知也から何かを知らされたと勘違いしている様子だった。


私は首をふって笑顔をむける。


「違うんです…私は、好きな人が出来たんです。だから…知也とは結婚できないんです」


知也のためじゃない。私のためなんだ…。



おじ様達は泣きながらずっと謝り続けていた。


そんなことしてほしくないのに…

二人はずっと私に謝って…

悲しい顔をしていた。


私の両親は遠い昔に交通事故でなくなってしまい、引き取ってくれたのが知也の両親だった。



昔から私と知也を婚約させましょうなんて、話をしていたらしく…



事故の後、私を正式に婚約者として迎え入れてくれた。


それから私は何不自由なく過ごせてきた。


おじ様、おば様の愛情をたっぷりもらい、大好きな知也と一緒に過ごせた。



これ以上の幸せなんてないぐらいだ。



けれど…知也の幸せは私が叶えることは出来ない。


それなら、私から去るべきなんじゃないか…って…。


それが私の答えだった。



おじ様とおば様にはこの家を出ていくことを伝えると、またしても泣かれてしまった。