担任と岡崎先生に挟まれながらやって来たのは、職員室の隣にある小会議室へやって来た。


ここは生徒指導などで使われる部屋だ。


本当に私は何かやらかしたのだろうか…と不安になってきた。


小会議室へ入ると、一人の男性がそこにいた。


ドアの音や担任の声に反応したその男性はすっと立ち上がり振り向いた。


あぁ…あの夢が正夢になるだなんて…やっぱり私の力は変わってないのね…。



「お疲れ様です」



ふわっと笑う彼はあの頃と変わらない…


声は少しだけ低くなった感じがする…。


でも…私の心は彼を拒否している。


「お前…知也か?」


視線を下げていると、隣から聞こえてきた声に驚いた。


なんで…岡崎先生が知也の名前を知ってるの?



「え…?悠斗か?」


二人は知り合いなの?


キョトンと置いてきぼりになった私と担任に岡崎先生は説明した。


「知也とは幼なじみなんです」


その言葉に担任は納得していたけど…


私は全然納得してない…。


「そうなんです。あと…遥香とも知り合いなんです」



その言葉に驚いたのは岡崎先生だった。


担任はその事については知っていたみたいで、今日から私が知也のサポート役にお願いしたくて、呼びつけたらしい。


担任は何を勘違いしたのか、私たち3人が幼なじみだと思ったみたいで小会議室を使ってもいいよって話して出ていった。


「遥香…久しぶりだな」


少しだけ困ったような表情で声をかけてくる知也に胸が痛む…



私は…私は…知也のことは…忘れなきゃいけないのに…



胸が痛む。


隣にいる岡崎先生についても頭がいっぱいだったのに…



どうすれば…


いいの?