「ちょっとー!!遅いよ沙羅ぁ!!学校遅刻しちゃうじゃん!!」
「ごめんごめんッ ね?許してッ」
「もぉ〜のんずっと待ってたんだからねッ」


彼女、高橋沙羅は165cmの長身に整った顔立ち、大人っぽく気が強い、近寄りがたい雰囲気を出している。
小学校の時から高校生に間違われることもあった。
きっと中学の制服を着ていなかったら、今から中学校の入学式に行く子だと思わないだろう。
その隣にいるのは佐藤のぞみ。
沙羅とは正反対の子。
低めの身長、可愛くて天然。
男子が守ってあげたくなるような子だった。
今日からあたしたちは中学生。
隣ののんと自分の姿を見比べて少しヘコむ。
天使のようなその姿に怖いくらい似合ってる制服。
全くといっていいほど似合っていない自分を見て無意識のうちにため息がこぼれる。
まだ幼さの残るのんには膝まである長いスカートも初々しく見えるのだが、あたしが着るとただダサいだけ。
初日からそこまで短くするわけにわいかず、我慢した。


「ねぇ沙羅聞いてるっ?!」
「へ?」
いきなり顔を覗き込まれ間抜けな返事を返す。
それを聞いたのんは少しあきれ気味に「へ?じゃないってばぁ さっきから何回も呼んでるのに」と怒っている。
「ごめんねッ 何??」
今日はのんのこと怒らせてばっかだなぁ…
「もぅ何でもないょッッ」
のんはそっぽを向いていじけている。