「店のオーナー夫婦から聞いたんだけど、蒼って…色んな男と付き合っているみたいだよ」

「色んな男と?」

「店に食べに来る時は、毎回違う男と同伴って言う話しだし」

「ええ、まさか」

 雅美の口から出た言葉はこれだ。

「まさか?」

 私の話しを聞いて、雅美は疑念の思いを抱いた。

「蒼に限って、そんな事はないと思うけど」

「でも実際に今日、店に来た時の由美は知らない顔の男が同伴だったからね」

「美香も知らない男だった?」

「知らない男だったよ」

「…」

 雅美は返す言葉が出なかった。