辺りには誰もいない公園内に女2人の怒号が飛び交った。

 この時だ。

「オイオイ、やめろ!」
「ちょーっとアンタたち!」

 叫びに近い男女の声が響いたけど、私も蒼も気付かない。
 掴み合いに夢中になっていたら、間に入って来るなり強引に引き離されてから我に返った。
 動きを止め、冷静になった私たちの目に飛び込んだのは、厳しい顔して立っている拓也と雅美の姿である。

「拓也様ぁッ!?」

 思わぬ顔見せに蒼はびっくり!

「拓也ったら! なーにしに来たの!? それに雅美まで!」と私。
「倉沢さんから話しを聞いてよ」

 拓也は私と蒼の事が気になり、雅美と一緒にずっと行動を監視していたのだ。

「やーっぱ思っていた通りだったよねー」

 私のワガママな行動で血を見る事になるのではと心配していた雅美である。
 呆れた表情で雅美は愚痴る。