「信じてくれなくてもいいよ。
私無表情だし、疑われても仕方ないよ。」


「んなこと言うな!」


早瀬はすぐに笑ってそう言ったが、俺は怒鳴るように否定した。


「ほんとは疑われて悲しかったくせに。ばか!」


コツンっと軽く早瀬の頭をグーで叩く


「ほんとに信じてくれるの?」


当たり前だろ。


「信じるよ。だって犯人、松木だったもん。」


「えっ!」

松木とは千鶴の苗字。
まさか被害者が犯人だったとは思いもしなくて、彼女は目をパチパチさせて驚いた。