震えながらも、小さく首を横に振る


怖い
怖い
怖い
怖い
怖い

・・・


それ以上の感情も、それ以下の感情も何も出てこない



「・・・キミが、美桃ちゃん?」


優しく笑うその人はなんだか、日だまりみたいで


とっても、暖かかった。



「怖がらせちゃったね・・・。
美桃ちゃん、ゴメンね。」


そう言い、美桃のほっぺに手を添える。


母の血が滴る手で


べっとりと、手形に血がつく。



涙が、一筋、伝った。



「・・・・美桃ちゃん、キミには罪はない。
だから、見のがす。

・・・これから、するコトを話すから、いいね?よく聞くんだよ?」


そのときの笑顔は、怖かった。


恐怖が混じった怖さ・・・だった。