「美桃、今日おれの家で夕飯くってくか・・・

ぐ!?」


言葉も言い終わらないままに


カバンから出したカッターで刺す。


真っ赤に染まったてを見ては


『復讐』の文字が頭をよぎる。



「・・・ゴメン、夜斗・・・」



「・・・み、・・・と?!」


手のひらいっぱいに、血で染まる。


床に落ちる真っ赤な雫が異常なほどにきれいだ。


「夜斗のコト、わたしは大好き。・・・でもね、あなたはあいつの、灯斗の息子なんだもの・・・。だから、ダメ。」


「・・・美桃、?!なに、を・・・っ」


ぐっと、手に力を込める。



「・・・・あたしは、ね・・・あんたの父親にあたしの両親を殺されたの・・・」



「・・・何・・?」


夜斗の、汗が手に落ちる。

血と混ざりあう、



あ、れ・・・?


「・・・世界で、一番あんたが好きだよ・・・でも、ね。
世界で一番、殺したいの!!

・・・あんたのコト・・・っ!!!」


なんで、


「美桃・・・俺は・・・」


なんで



「最期に、何か言って・・・」



なんで・・・なんで?


「美桃のコト、好きだ・・・ぞ・・・」



「――っ!!」



なんで、涙なんか流れるんだ・・・っ!!



「じゃあ、その好きな“美桃”から、命を奪われる・・・なんて光栄なコトじゃない?」



深く、深く突き刺す。


そして、抜く