そして一ヶ月が過ぎた頃、深夜零時を前に、突然鳴ったインターホン。


半分眠りこけていた俺は、ぼんやりとした頭のまま、その受話器を取った。


「はい……」


寝起きで掠れた声は、かなり不機嫌を纏って聞こえたに違いない。


『あたし。未幸……』


そこでようやく、俺は目が覚めた。


居留守を使おうにも、時既に遅し。


俺は仕方なく、迷惑顔のまま、部屋のドアを開けた。


「ごめん……。寝てた?」


ほんの少し申し訳なさそうな未幸にも、俺のローテンションは変わらない。