「俺と付き合って。由姫は俺のこと嫌い?」



嫌いじゃない。



慌てて首を振る。



「じゃあ好き?」



好きなんて言っちゃ駄目。



わかってる。



わかってたはずなのに、突如胸の中に黒い塊みたいなものが広がる。



どうして私がお父さんの罪を背負わなきゃいけないの?



もう十分反省したはず。



私だって正直な気持ちを伝えたい。



理玖を好きだって伝えたい。



それはもう自分じゃ抑えられなかった。



私は頷いてしまった。