ほっと息を吐く。



これを書いた人には申し訳ないが、もうこんな言葉には慣れた。



傷つく心も憎む心も欠落している。



ただ、理玖くんに近づくなっていうのはきになる。



理玖は明らかにモテる。



たぶんこの学校でダントツに。



ずっと好きな子たちはよそ者の私が理玖の隣にいるなんて腹が立って仕方ないだろう。



やっぱり距離を置くべきなんだろう。



そもそも仲良くなんてしちゃいけなかったんだから。




教室で捨てて見つかったりしたら面倒なことになると思って、その紙たちは綺麗に伸ばしてクリアファイルに挟んだ。



家で見つからないように捨てよう。



「ゆーき!体操服に着替えんばよ!」



急に前から声をかけられて慌ててクリアファイルを机の中に突っ込んだ。



声をかけてきた相手、美結は怪訝そうに眉をひそめた。



「なんそれ?なんで隠すと?」