「絶対だよ」

 
真っ直ぐに透の目を見つめてそう言うと、透は面白そうに口角をあげて言った。


「ふーん。余計燃えてきちゃった」


もうこの人には何を言ったって無駄らしい。


ため息をついて、「もういい」と言い残して部屋を出てきた。



たたんだ洗濯物をそれぞれの部屋の前に置いてから、3階の一番奥にある自分の部屋に戻った。


慣れた自分の空間に戻るとほっとする。


ベッドに座ってから、窮屈な制服を脱ぎ、部屋着に着がえて、すぐに机に向かう。


学校のバッグから勉強道具を取り出し、黙々と課題、復習、予習の順で進める。


2時間ほど経っただろうか、部屋のドアがノックされてよく知った顔が隙間からのぞく。


「由姫、ご飯」


「は一い。おかえり美結」


「ただいま~」


すでにお風呂をすませ、髪を少し濡らした美結に急かされて勉強道具を片付けて部屋の電気を消して廊下に出た。


1階に下りると、もう私と美結以外のみんなが席に付いていてご飯も用意されていた。


慌てて私たちも座ると、おばさんに合わせてみんなで合掌し、タ食が始まる。