入学当初からそれは始まったけど、初めはもちろんからかわれているんだろうと思ってほっといた。



私を地味なガリ勉女だとか思って馬鹿にしているのかななんて勝手に思っていた。



けど、1ヶ月すぎても飽きず、それどころか徐々に悪化していきこれはまずいと感じた。



「ねえ、付き合って」



ほら、こんな感じで毎日まるで挨拶のように付き合ってと言ってきて得意のウィンクを飛ばしてくる。



冗談のような振る舞いだけど、本人曰く本気らしい。



「だから、無理」



ばっさり言い切ることで壁を作り、遠ざけようとしているのだが、奴はそんなの見えていないかのようにとんとんと乗り越えてくる。



快適な下宿生活の中にこんな迷惑なオプションが付いているとは知らなかった。