下宿先に帰りつく頃には日が沈みかけていた。



庭には洗濯物を取り込んでいる管理人さんがいて、私は軽く声をかけてそれを手伝った。



「あら、ありがとね。今日も学校は楽しかった?」



「はい、楽しかったです」



あまり入居している人たちに興味がないのか、管理人のおばさんはいつも無駄に話しかけてきたりはしない。



それが私にとっても助かっている。



黙々と洗濯物を竿から外す作業を終えると、洗濯物を半分ずつ持ち合って家の中に入った。