後から美結はこんな風に言っていた。



この島の子供達は少ないからこそ、誰かを仲間はずれにしようとかそんなことは考えない。



いや考えるも何もそんなの頭の片隅にもないのだ。



例外もたまにはいるとも言っていたが。
(たぶん聖奈ちゃんのことだ)



だからこそ、こんな体験したこともない状況に置かれても、仲間はずれにしようとか、いじめようとかそんなことは鼻から思いつかないのだろうと。



私もそれを聞くとなんとなく共感できた。



ここの子供達には本当に言葉に棘がない。



例外もいるが。



誰かを心配するときは本気で心配し、
笑うときは大声で笑い、
驚くと誰にでもそれを話し、
辛いときはみんなで涙を流す。



いつだってこの小さな島でお互いを共有してきたからこそ、いじめや差別などという汚い考えは生まれなかった。



だから彼らは私を驚きの対象と見ることはできても嫌ったりはしないんだ。



どこまでも心が純粋だから。



だけど、私は普通にされるくらいなら、罵って欲しかった。



これじゃあまりにも陸玖が救われない。