少し前の話をしよう。



私が陸玖につけるだけの嘘を投げて罵倒されたあの日から私たちが島を卒業するまでの話だ。




約1週間学校を休み、久しぶりに学校に登校した時、クラスの雰囲気は恐ろしくなるくらい普通だった。



今までの学校では私の秘密が漏れると、瞬く間に広まり、次の日学校に行くと冷たく重たい視線を向けられ、コソコソと至る所で囁き声が聞こえた。



もちろん朝、教室のドアを開けてクラスに入った時には流石にみんながこっちに注目していたけど、それも一瞬の出来事だった。



まるでしばらく学校を休んでいたクラスメイトが久々に登校してきた、そんな態度だった。



犯罪者の娘ではない、あくまでも他と同じ、ただのクラスメイトだ。



そんなこと今までなかったから、正直気味が悪かった。



美結は友達になりたいとは言ってくれたけど、私はそんな美結は少数派だと思っている。



大多数は私を嫌い、憎み、無視して、酷ければ、言葉の暴力や身体的な暴力や嫌がらせを仕向け始める。



それが当たり前なのだ。



自分のために生きようと決意はしたけど、忌み嫌われることを避けて通ろうとは思っていない。



それを受け止める力も付けなきゃいけないと思っている。