必死に涙が美結に見えないように手の甲で雑に拭くが、美結は全て分かっているように私の背中を優しくさすってくれた。
「うちね昨日、由姫とちゃんと話をしようって決めてから一晩中何を話そうか、どんな風に話そうかって考えとって、結局上手くまとまらんやったし、伝わらんかもしれんけど、聞いてくれる?」
穏やかな声でそう言われ、私が戸惑いながらも頷くと、美結は私から離れて、後ろに見える海に視線を向けて、柵にもたれかかった。
「由姫さあ、この島に来た時どう思った?」
「え…?」
質問の意図がわからずに首をかしげると、次の瞬間美結が勢いよく喋り出した。
「こんなど田舎ありえんし。どうやって生活すると?こんなとこで一生終える人とか絶対頭おかしいやろ。ってうちは思った」
軽い調子で美結の口からポンポン飛び出してくる島の悪口に驚いていると、美結が振り返ってニコッと笑った。
「うちもね、この島出身やなかと。小学校2年生まで本土のそれなりの都会に住んどった」
それは私にとって衝撃的な告白だった。
美結は今まで一言もそんなこと言わなかったし、方便も他の子達と何ら変わらなかったし、何よりも島の人たちととても仲が良かった。
「うちね昨日、由姫とちゃんと話をしようって決めてから一晩中何を話そうか、どんな風に話そうかって考えとって、結局上手くまとまらんやったし、伝わらんかもしれんけど、聞いてくれる?」
穏やかな声でそう言われ、私が戸惑いながらも頷くと、美結は私から離れて、後ろに見える海に視線を向けて、柵にもたれかかった。
「由姫さあ、この島に来た時どう思った?」
「え…?」
質問の意図がわからずに首をかしげると、次の瞬間美結が勢いよく喋り出した。
「こんなど田舎ありえんし。どうやって生活すると?こんなとこで一生終える人とか絶対頭おかしいやろ。ってうちは思った」
軽い調子で美結の口からポンポン飛び出してくる島の悪口に驚いていると、美結が振り返ってニコッと笑った。
「うちもね、この島出身やなかと。小学校2年生まで本土のそれなりの都会に住んどった」
それは私にとって衝撃的な告白だった。
美結は今まで一言もそんなこと言わなかったし、方便も他の子達と何ら変わらなかったし、何よりも島の人たちととても仲が良かった。