そうもの思いに沈んでいる時だった。



「ゆーきっ!」



久しぶりに聞く声だった。



慌てて振り向くと、そこには美結がいた。



「な、」



なんでと聞きたかったが、声が出なかった。



でも美結は意味を汲んだのか、ヘラヘラと笑顔を浮かべながら言った。



「だって、由姫全然学校こんちゃもん!ほらプリントとかたまりすぎて机からはみ出すとこやったし」



そう言って厚みのあるファイルを私に見せた。



でもはみ出すほどの量ではないことくらい見てすぐにわかる。



一瞬で私は頭をフル回転させた。



そして行き着く結論は決まりきっていた。



私がやることは決まっている。



美結がなんでここに来たかはわからない。



あの暴露を聞いてきっと私のことを調べたはずだ。



それなのに私のところに来る理由は全く読めない。



だけど、突き放さなきゃいけない。



美結が一緒にいなきゃいけないのは私じゃなくて陸玖だ。