12時を告げる地域のチャイムが鳴り出して、私は一気に現実に引き戻された。



雨は変わらず降り続けていた。



全身が泥と水でぐちょぐちょの私は側から見ると異様に不気味な姿をしているんだろうな。




そう思いながら重い腰を持ち上げて立ち上がった。



これ以上私が陸玖の思い出の場所にいるのは許されない。



一刻も早くここを立ち去ろうと決意し、ぬかるみに足を取られそうになりながらも歩いて道路に出た。



しかしそこで考え込んだ。



ここからどうしよう。



陸玖と私が無断で逃走し、大騒ぎになっているであろう学校にのこのこと帰るのもきつい。



かと言って、おばさんが一人でいる家に帰るのはもっときつい。



しかし、この辺を時間を潰すために放浪していても、この小さな島ではすぐに見つかるだろう。



どこか別のところに行って隠れておこう。



結局その考えに至り動き出そうとした時だった。