2人で並んで教室から出て行こうとすると、急に後ろから呼び止められた。



「由姫ちゃあん、どこいくのー?」



甘ったるいその声の持ち主は派手なグループのリーダー格の女の子の気がして。



「あ、手を洗いに行こうかなって」



愛想よく笑いながら振り向くとやっぱりその子だったけど、声のトーンと表情が異様に合っていなかった。



不満そうに口を尖らせて、目は鋭く何処かを睨みつけていた。



「そいつといくの?」



「やめときなよ〜」