楠木くんと一緒にごはんを食べてる
隣に楠木くんがいる
そう意識するだけで、、ドキドキして
胸がいっぱいになる。
「綾瀬さん?、大丈夫?」
「えっ?、、」
「全然食べてないからさっ、食欲ない?
無理しなくていいからね」
いつもそう。楠木くんはいつだって、、
どんな些細なことにも気づいてくれる
だから、、、私の嘘も強がりも
全部バレてしまいそうで、怖くなる‥
「ありがとぉ、大丈夫だよぉ‥
こんな美味しい料理、久しぶりだよ」
「よかったぁ〜、ゆっくり食べよ」
ここ最近ずっと、まともに食べてなかった。
食べようとしなかった。
わざわざ何かを口元まで運ぶなんて
その動作でさえ、めんどくさくなってた
だから、どんどん体重が減った。
それはきっと、見た目からも分かるはずで、
口には出さないけど楠木くんも気づいてる
だから、何か食べさせてくれようとして
誘ってくれたんだよね?
楠木くんらしい優しさが
伝わってきて、、うれしい。
だから、、
「ほんと、、おいしいねっ‥」
そう言いたくなった‥
「‥、ん?、、。おいしいね」
すこし戸惑ってる楠木くんも
すぐに返事をしてくれる。
今、この瞬間。
楠木くんの近くにいて、
この時間がずっと続けばいいのになんて
そんなバカな願い事。
幸せって思うのも、うれしいのも、、
温かいのも、、優しいのも、、
増えていくとその分だけ、さよならが
辛くて、、苦しくて、、
痛くて、、哀しくなる。