「楠木くん‥、、
こんな家だけど上がってく?」
このひと言を言うのも
思った以上に戸惑ってしまった。
あちらこちらに、あれの残骸が残る
こんな家、誰だって上がりたくないよね。
私には慣れた光景だけど、、
楠木くんにとっては違うから、、
「えっ、お邪魔していいの?」
一瞬、困惑した表情をした楠木くん。
私がこんな事を言うなんて
思ってなかったんだよね。
「うん。嫌じゃない?、、」
心配だった。
私を知ったら、
楠木くんが離れて行きそうだから
無理に上がって貰うことは
したくなかった。
「当たり前だよ、、むしろうれしいっ。」
優しく微笑んでくれる楠木くん、
まだ拒絶されていない事にほっとした。
それと同時に、、
これから拒絶されるんじゃないかって
そんな不安に押しつぶされそうになる。
「どうぞっ、、」
「お邪魔します。」