「‥、教えてくれないかな?
なんでこんなにも綾瀬さんが
傷つかないといけないのか。」


楠木くんの優しい声
きっと、傷つけないように
言葉を選んでくれてるんだ。



でもね、分からないよ‥


私って、傷ついてるの?、、

いつもいつも、傷ついてるのは
私と関わるみんなだよ。



「っ、、楠木くん。
これ全部、私のせいなんだ‥
私は傷ついてなんかないよ、、
ただ、いつも大切な人を傷つけるんだ。」


自分で口にした言葉に
無性に泣きたくなる

だって、今の
私の本音だった。


私がいなかったら
お父さんも、お母さんも、
きっと、幸せだったはずだから、、


そんな事を思うと
無意識に手に力が入る


「、綾瀬さんっ‥」


そんな優しい声と一緒に
楠木くんの手が私の手を包み込む


「っ、、、‥楠木くん?」


その大きい手は

大丈夫だよって
そんな風に安心させてくれる


自分の手から力が抜けるのが分かった




楠木くんが重ねられた手に
視線を落とす

その瞳は悲しそうで、、


「綾瀬さんっ、、
強がんなくていいよ。


ただ、もっと自分を大事にして欲しい。」