「私、こうくんが苦しんでるんだって
そう思うだけで悲しくて…
どうしようも無くて…、、」
「っ、、優っ!!!!」
「辛かったよね…」
何言ってるんだろ…
辛かったよね?、、そんなの
私が言っていい言葉じゃない。。
最低だ。。
こうくんの辛さを自分と比較してるんだ。
私より辛いよねって。
私より苦しんでる人なんかいっぱいいるんだって、いつもそればっかりで…
最低だ。。
何も分かってあげられないのに。
形だけの同情になりそうで…
最低だ。。
「なぁ、」
え?、
さっきまでのこうくんの声じゃない。
今までで1番、
1番悲しい声、、
「もぉ、分かったから…
ちょっと黙って。。」
えっ?、、、
っ、、、。こうっ、、くん?
これって。
初めてこんな温かさを感じた。
抱きしめられるって
こんな感じだったっけ…
忘れてた…
思い出せる記憶には
1度だけ、お父さんとの記憶の中に
そんな温かさもあったかな、、
「こうくん?、、、」
「ん?」
「んーん。、」
なんか、聞きたいことだって
いっぱいあるはずなのに、、
そんな気になれない…
今はダメな気がするんだ。
言い訳も、抵抗も、心配も、憤りも、
全部、こうくんにぶつけることはできない。
こんな傷ついたこうくんを
余計に苦しめるなんてできない。
「優、、」
「ん?」
「ごめんな、。」
えっ?
なんでっ?。
なんでこうくんが謝るの?。
「心配、してくれたんだよな」
「う、、、うん。。」
「ありがとな。」
泣きそうになる。
こんなの、耐えられない。
こうくんは、私のために
否定しないんだ。
間違ってるって、、、、
頭ごなしに否定しないんだ。
どんな時でも、
いつも大人なんだ、こうくんは。
いっつもチャラいくせに、、
いっつもかわいいくせに、、
きっと誰よりも大人なんだ。
泣きたくなる。。
泣きたい。
私はいつも大人ぶってるだけだ。
何も解決しようとしない。
無様な自分が好きなんだ。
大人に差し伸べられる手を
拒絶して、、1人に
ひとりになりたくて、、
それが私の【生きる】だった。
強がって、大丈夫だって、、
どうせ、泣くのに。
辛いのに、、苦しいのに。
誰の手も借りずに生きられるなんて
喚く子供だ。
【助けてっ】て
たったそのひと言が、言えなくて
言えなくて、、、
「こうくん、、っ、。、」
「ん?」
「っ、。。た、、、、」
助けて。
「うん。」
「っ。たすけてっ、、」
「うん、、、」
こうくん?、
「あっ、やっべー。
なんか嬉しくてさ、、、、」
こうくんは、変わってる。
人のために泣けるんだ。