杏南は慌てて首をブンブン左右に振る。




「わ、私もつ、付き合いたいです」


「マジで?」



杏南は返事の代わりに
首をコクコクと縦に振る。



そっか。

まぁ、そーだよな。



俺は緩みそうな口元をごまかすために
顔を横に背ける。


杏南の俺に対する態度とかから
雰囲気的にいけそうな感じはしてたけど


良い返事をもらえると、なんつーか
予想外に嬉しい。






「でも、いきなり‥キスは‥びっくりします‥」

「あーうんごめん」





自分でも止められなかったというか。

誘ってきたのはそっちじゃんっていうか。






「だけど嬉しかった‥です」




恥ずかしそうに上目遣いで俺を見る杏南に
またドキッとする。




「わ、私も逢坂くんが‥‥大好き」


「!」


「ずっと一緒にいたい‥‥です」


「・・・・」


「お、逢坂くんが言ってくれたので‥‥私もちゃんと言いたいなと‥‥ごにょごにょ」




最後の方はもう何を言ってるか
よくわからない。


ただ杏南の尋常ではない可愛さに
何かがヤバいと感じる。




「わかった。じゃあ‥‥放課後は俺からそっち行くから教室で待ってて」


「は、はい。では‥また後で」




杏南はそれだけ言うと
パタパタと教室から走り去っていった。







「はーーー‥‥」


俺は椅子の背もたれにもたれかかると
天を仰いで髪をぐしゃぐしゃにする。




なにこれ‥‥

ドキドキしすぎて、死にそう