「杏南、俺の目みて?」

「・・・・・」



杏南は赤い顔でうつむいたまま
上目遣いで俺を見る。


ドキ





「俺がさっき言ったの、ちゃんと意味わかってる?」


「?」


「必要とか一緒にいてって言ったやつ」


「?」





杏南は少し首をかしげる。


まじか。

やっぱちゃんと伝わってなかったか。







「一応、好きって事なんだけど」

「‥‥え?」





杏南は驚き目を大きくさせる。









杏南は自己評価が低いせいか
ハッキリ言葉で伝えないと

こっちの気持ちが伝わりにくいらしい。



さっき杏南が泣いている姿をみて
そんな風に思った。







「だからつまり‥‥俺と付き合って欲しいんだけど」

「!」





杏南はさらに目をまん丸にさせる。





てか‥‥

全部を言葉にして言うのって
かなりハズいな。


付き合って、とか初めて言ったし。




こっちも恥ずかしくて
つい目を逸らす。






「もしイヤなら無理しなくていーけど」

「!」