近々訪れる私たちの終わりを想像して1人憂い、溜め息が漏れそうになることもあった。

そんな時、気落ちしている雰囲気を察するのか、二ノ宮から心配されるのだ。

でも、どうしたのとは聞かれない。

それは多分、部のみんなとの軋轢に関してだと想像できるからだ。

なので、いつも何も言われない。

ただ、楽しい話題を提供して笑わせてくれたり、ニュースで見つけたという和むような話をきかせてくれる。

本当に、いい彼氏だと思う。

そして、だから揺らいでしまうのだ。

彼の優しさを、想いを、無視して別れることの身勝手さに、胸が痛んでしまうから。

……ダメだ。

このままだと暗い雰囲気で電話することになってしまう。

なるべく明るい雰囲気で、楽しい話をしなければ。

気を引き締め、私はようやく通話ボタンをタップする。

きっと、スマホを手元に置いて待っていてくれていたのだろう。

2度目のコール音が聞こえる前に、二ノ宮の声が聞こえた。