豪華な玄関を通り抜け、案内されたのは海を一望出来る広いリビングだった。

大きな窓からは燦燦と太陽の光が差し込み、部屋を明るく照らしている。

俺の実家よりも上層階に位置するこの部屋からの眺めは最高で、思わず見惚れてしまった。

そんな俺に、




「君が淳太君か?

……桃華の父親です」



キッチンに立っている男性が頭を下げた。

俺は彼をもちろん知っている。

赤木さんをはじめ日本中のドラマーが尊敬する、憧れの存在だから。