「女の子でも男の子でも可愛いだろうね」
「………」
ハチがニコリと笑う。
どうして集中できないことばかりを言うのかな。もう勉強どころではなくなってしまった。
本当に私の周りの人たちは気が早いというか、色々と話を先に進めたがる。
ハチと私が付き合うと知って、お互いの両親はそれはそれは大喜びで。
『いつかそうなると思ったのよ!』ってお母さんたちは口を揃えて言ってた。
喜んでくれるのは素直に嬉しい。
でも子どもの話なんて早くない?そもそも私たちの名前に数字が入ってるからって数字に関わる名前とかベタじゃない?
いや、私もその気になってるわけじゃないんだけど。
「ん?なに?」
無意味にハチをじっと見つめてしまった。
「べ、べつに……」
付き合うということはその延長線上に〝将来〟があるわけで。ハチと離れることは考えられないから、やっぱり結婚とか子どもとか、そんな未来が待ってたりするのかな。
まだぜんぜん想像もできないけど、大人になっていくハチを一番近くで見ていられたらいいな、とは思う。