わたしの出る幕もなく、あっという間に餃子を包む作業が終わった。
なに、セイくん、実は餃子職人なの?
餃子一日100万個……のあそこで修業したの?
「助かったわぁ~。ありがとう」
「他に僕にできること、なにかありますか?」
いやいや。これ以上働かないでいいよ。
「それじゃ、そこの電球が切れたから交換してもらえると助かるんだけど……」
お母さん!?
「もう、そんなこと、お父さんに頼めばいいじゃん!」
セイくんは、お客さんなのに。
「容易い御用ですよ」
……優しいなぁ、セイくん。
電球の交換が終わると、セイくんに「美琴の部屋がみたいな」と言われ、2階へ向かった。
ニコニコと送り出してくれるお母さん……。
母よ、セイくんにメロメロではないか?