謎の少年セイくんが、お母さんと並んで、餃子を作っている。
「手際がいいのねー。いつも自炊してるの?」
「そういうわけじゃないんですけど。手先は器用だと言われますね」
シュールすぎる。
「セイくんは、どこに住んでるの? 近く?」
「都内です」
お母さんが、目を見開く。わたしも、口をあんぐりあける。
「え、東京……?」
「はい」
「そう、東京……都会人ね?」
「母の生まれが、この街で。ほどよい自然環境が好きで、たまにふらりと祖父のところに遊びに来るんですよ」
「そうなのねぇ。東京は、きっと人が多いでしょ。美琴とは、どこで知り合ったの?」
「そこの、河原の前の通りです」
「へぇ~。この子ったら、いつの間に」
いや、お母さん。とても過去の話みたいにいうけど。
それ、ついさっきの出来事だからね!?
「また帰省したら、美琴に会ってやってね?」
なにいってんの。
「……はい。是非」
合わせなくていいよセイくん!?