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部活を終えて、疲れ果てて帰ってきたところにLINEが来た。

誰…?

動かすのも怠いくらいになった手でスマートフォンを操作すると、通知の主が明らかになった。

「…海斗?」

滝沢 海斗 (takizawa Kaito) 同い年、クラスメイト。
…かれこれ3年間、ずっと好きな人。

野球部の部長として頑張ってるけど、勉強はできない。毎日楽しそうできらきらしてる、そんな人。

好きになったきっかけは簡単だった。
1年付き合ってた彼氏と別れて落ち込んでる時に、励まして慰めてくれた。

美那はいい子だから大丈夫、いい人が絶対美那のことむかえにくる!

そんなこと言って、頭をわしゃわしゃと撫でてきた海斗の顔が眩しすぎるくらい笑顔で、でも優しくて…。別れたばかりだっていうのに、そんな海斗に惚れた。

惚れたのはいいけど、それからすぐに海斗は隣のクラスの女の子と付き合った。
そのときに好きじゃなくなれたらどれだけ楽だったかな…?
私は海斗を好きなままで、結局ずるずると3年間も引きずってるの。

そんな海斗からLINEがくるなんて…なんだろう。

既読をつけるかつけまいか迷っていたところで、疲れ果てた指先が当たった。

「最悪…!!」


『なぁ、美那の好きな人って、俺?』


言葉どころか私は…ため息さえも出なかった。