「あ、バレてました?
浩太くんの観察です。
私以外の可愛い女の子と歩いてる時の浩太くんはかっこよくて綺麗な笑顔をしてるんですよ!?それを見ないなんて

私の人生は成り立ちませんっ!」

お、おう。

すごい熱意だな。

ドヤ顔してるし。

「え、その笑顔を自分に向けてほしいとか
思わないの?」

「思いますけど、
好きでもない人にそんな笑顔を向けてくれるわけないじゃないですか。」

彼女なのにさも当たり前かのように答える。

「みのりちゃんは浩太の彼女でしょ?」

「はい!そうです!
でも、浩太くんの中で彼女っていうのは
言うことを聞けばいいっていう
存在なんです。」

なんだそれ、

「だから彼女は好きって言う
対象じゃないんです。
今の彼女が私でも浩太くんの好きな人は
私ではありません。」

数学の問題の証明をするかのように

スラスラと説明する。

「寂しくならないの?
一方的な気持ちって。」

「隣を歩けるんですから
そんなことはありません。」