「律樹、今日うちこない?」
「あー…行く」
決まったような口癖で淡々と言ってしまう彼。
小さい頃から変わらない余裕な表情にこっちも呆れてくる。
この男のどこがいいのか?
「なぁに?」
無駄に余裕な笑みが私を捕らえる。
ムカつく、
『は…なにが?』
「りつー早く行こぉ?」
席を立ってどこかへ行く。
女も彼に引っ付いて行く
「愛衣って英くんのことすきなの?」
『居たの彩菜』
佐々木彩菜(ささき あやな)は友達。
ていうか、りつといても【キュンっ!】とも【ドッキン!】ともしない、
むしろ【イライラ】する
『まぁ、嫌いではないけどね』
「あんなイケメンとお隣ってズルいからね!
呼び捨てされたい!」
『されればいいじゃん』
「ほんとーにズルい!」
彩菜は美人だから付き合えると思うのになぁ
ていうか律樹の好みっぽくない?
『彩菜大丈夫。胸でかいし、美人だし、いけるいける』
「ちょ!何言ってるわけ!」
『いや…思ったままに』
私は真顔で彩菜の顔を見つめる
「そんなに見つめるな!もー!」
『いやぁ…あのクソりつの「誰がクソ?」…いたの』
いつの間にか隣の席が埋まってて、彩菜の顔も真っ赤
いや、これ世に言う乙女ですか?
『律樹』
「どして?」
ほら、この色っぽい雰囲気と言い方
『色々』
皆は掴みどころがないところにハマってるらしいけど
「愛衣は俺が好きなんだね?」
「っ…」
彩菜もその一人。
このアマーイ視線と口調に騙されてる。
『律樹のことなんか普通だし!』
ほんと…勘違いするにも程がある。